漫画

月刊アフタヌーン7月号……のおまけ小冊子、アフタヌーン四季賞・春。
四季賞は漫画雑誌アフタヌーン向け新人の登竜門的存在。
若手で良い意味で青臭い作品が受賞する傾向が高い……気がする。
 
萌えを狙った作品はほとんど見たことがなく、日常か、幾つかのifを設定しての現代劇が多い。
トーンもほとんど使われない傾向で、白黒感が異常に高い。
 
ので、楽しむために漫画を読む人にはあまり喜ばれない作品が集まるイメージ。
実際自分も受賞者の作品が単行本化されても買わないと思う。
 
ただ、デビュー前の漫画家志望の若手(自分も若いけど)が心魂を傾けて作った作品だから、
なんと言うかチカラがある。じわじわと。
プロの様に見開き一発で涙腺大決壊、なんて真似は流石に出来ないけれど
読み終わって時間が経って、ふと作中の一場面を思い出して感慨に浸る、みたいなイメージ。
 
今回の作品三作もそんな感じ。
大賞の作品はそれほどでもなかったけれど、「囚われクローン」「黄色い家」の二作品は良い。
両方ともデカい感情の起伏が無いけど、その分じわじわとくるような。
 
「囚われクローン」の方で聖書の箴言から引用があったけれど、かなり深いところを引用してる。
作られた人間として、親の居ない人間として、あの聖句はかなりキツいだろうなぁ、と。
作中ではそのキツさを主人公が(表層的には)感じられていないのも、読者的に結構キツい。
上手いなぁ。