小説
スプライトシュピーゲル II Seven Angels Coming (2) (富士見ファンタジア文庫 136-9)
- 作者: 冲方丁,はいむらきよたか
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 文庫
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二ヶ月前に出ているオイレンシュピーゲルの同時間軸、別視点の話。
このパターンだと結末は分かっているから退屈になりそうなものだけど
そこは流石に作者が上手く操作して息をつかせない展開に。
二作のうちオイレンの方が好き、と言う話はオイレンの感想の時にも書いたけど
今回の話を読んで大分違う感想を抱いた、と言うかスプライトも好きになった。
スプライトの方は全体的に精神年齢が低めと言うか、向き合えよ、みたいな。
主人公三人のうち二人が「逃げ」の姿勢と言うか立ち位置なのが気に入らなかったけど
うち一人が良い感じに前を向いたから良し、みたいな。
シチュエーション的な話として、目標とする存在とその存在との別離、みたいなのが凄く好き。
具体的に言うならFateの切継と士郎みたいな感じかな。
この作品でもそういうのが出て、めっちゃ痺れた。
と言うか「日本人」と言うのは便利な存在だなぁ、と思う。
近接戦闘は空手・柔道・合気道をキャラに習得させておけば無傷で戦闘不能にするなんて簡単。
殺しても良いなら日本刀一つだしておけば鉄だろうとなんだろうと一刀両断ですよ。
終いには忍術の一つでも嗜ませておけば、かまいたちを殺気だけでかわせます。
手先が器用なのも民族特性として十分有名かつ有能だし、工学的な組み合わせも簡単。
この辺の卑怯っぷりを如何に上手く使うかが多国籍なシナリオを書く上で留意するべきなんだろうなぁ、と。